【自戦記解説】
☖3三金型早繰り銀の基礎①

こんにちは。将棋ブロガーの早峰です。今回は将棋俱楽部24の自戦記解説です。

今回は、後手番の筆者が☖3三金型早繰り銀を採用しました。

それでは、初手から1手ずつ解説していきます。

☗7六歩

先手は初手に角道を通して角を活用します。

対戦相手の対戦時のレートはR2301です。

☖8四歩

後手は初手に飛車先の歩を突き、居飛車戦法を明示しました。

対戦時の筆者のレートはR2327です。

☗2六歩

先手も飛車先の歩を突き、居飛車戦法を明示しました。

これにより、戦型は相居飛車となりました。

☖8五歩

後手は飛車先の歩を早めに突き超します。

☖3三金型早繰り銀は先手に☗7七角の形を作らせるのが大切です。

☗7七角

先手は角を上がって飛車先の歩の交換を防ぎました。

序盤は角換わりと同じ進行になります。

☖3二金

3二に金を上がって角頭を守ります。

金で角頭を守るのは相居飛車戦の基本です。

☗2五歩

先手も飛車先の歩を突き超しました。

近年の相居飛車戦は飛車先の歩を早めに突き超すのが主流になっています。

☖3四歩

後手も角道を通して角を活用します。

このタイミングで角道を通すのが大切で、次に☖7七角成☗同桂となれば先手の形を乱すことができます。

☗6八銀

この手は☖7七角成とされた時に形良く☗同銀と取り返せるようにしたものです。

なお、この後の進行が角換わり以外の戦型になった場合、雁木を目指す人は☗6八銀、矢倉を目指す人は☗8八銀と指すことになります。

☖3三角

この手は☖3三金型早繰り銀を指す上で大切な手です。

従来の角換わりであれば、ここは☖7七角成と進行するところです。

☗同角成

先手から角を交換してきました。

先手は後手の作戦を受けて立つ方針のようです。

なお、ここで先手から角を交換してこなかった場合は、☖4二銀や☖2二銀と指して1局の将棋になります。

☖同金

後手は角を金で取り返し、☖3三金の形を作ります。

なお、先手は7七に角を上がってから角を交換し、後手は手順に角を金で取り返したため、後手が1手得をしています。

☗7七銀

7七に銀を上がって後手の飛車先の歩の交換を防ぎます。

☖6二銀

6二に銀を上がって6三と5三の歩にヒモを付けます。

ここは☖7二銀でも問題ありません。

☗7八金

7八に金を上がって左辺の守りを固めます。

☖7四歩

7筋の歩を突いて7三の地点を開け、銀や桂馬が攻めに参加できるようにしました。

☗4八銀

4八に銀を上がって4七と5七の歩にヒモを付けました。

ここは☗3八銀でも問題ありません。

なお、ここで先手から☗5五角と仕掛ける手は【補足解説①】にて解説します。

【補足解説①】

先手から☗5五角と仕掛ける手について解説します。

本譜の☗4八銀に変えて☗5五角とした局面を見ていきます。(下図)

☗5五角は飛車取りになっているため、☖7三銀と受けに回ります。

以下、☗3三角成☖同桂と角を切り、☗2四歩☖同歩☗同飛と飛車先の突破を狙いますが、そこで☖4一角がピッタリな受けです。

☖4一角以下、☗2一飛成には☖2二角から☖3二角で龍を取ることができます。

また、☗3四飛には☖2二銀、☗2三歩には☖2二歩、☗2一金には☖2三歩で、いずれも先手は攻めの継続が難しくなっています。

☖7三銀

後手は7三に銀を上がって早繰り銀を目指します。

☗3六歩

先手も3筋の歩を突いて3七の地点を開け、銀や桂馬が攻めに参加できるようにしました。

☖6四銀

6四に銀を上がって早繰り銀に組みました。

早繰り銀の狙いは攻めの銀と守りの銀の交換で、後手から☖7五歩(先手なら☗3五歩)と仕掛けていく将棋になります。

☗3七銀

先手も銀を上がって攻めに参加させます。

これにより戦型は、角換わり相早繰り銀となりました。

☖9四歩

後手は右辺の端歩を突いておきます。

この端歩は早繰り銀において重要な1手になるので、その理由を【補足解説②】にて解説します。

【補足解説②】

早繰り銀において右辺の端歩が重要な1手である理由を解説します。

本譜の☖9四歩に変えて☖7五歩と仕掛けた局面を見ていきます。(下図)

☖7五歩以下、☗同歩☖同銀☗7六歩☖8六歩☗同歩☖同銀☗同銀☖同飛と進みますが、そこで☗9五角が王手飛車となり、後手の攻めは失敗に終わります。

早繰り銀における右辺の端歩は王手飛車を防ぐための手になっています。

王手飛車を防ぐという意味では☖4二玉のように玉を動かす手も有力ですが、相手の攻め駒に近づくというデメリットもあるため、局面によって使い分ける必要があります。

☗4六銀

先手も早繰り銀に組みました。

先手は後手と同様に、攻めの銀と守りの金の交換を狙っています。

☖4四歩

『歩越し銀には歩で対抗』という格言に従った手で、☗3五歩の攻めに☖4五歩の反撃を用意した意味があります。

また、先手からの将来的な☗5五角を緩和した手でもあります。

☗1六歩

先手も右辺の端歩を突きました。

この手の意味は【補足解説②】で解説した通りです。

☖7五歩

7筋の歩を突いて戦いが始まりました。

☖3三金型早繰り銀は序盤で手得をしているため、先手より先に仕掛けやすいというメリットがあります。

なお、ここでは☖5四角という手も有力なので【補足解説③】にて解説します。

【補足解説③】

本譜の☖7五歩に変えて☖5四角という手も有力なため解説します。

この角は8筋を睨みつつ、次に☖3六角として1歩を取る手と☖4五歩から先手の銀を追い払う手を狙っています。

☖5四角以下、先手は☗5八金と上がる手が自然な対応で、以下は後手の指し手によって進行が変わります。

最初に☖3六角として1歩を取る手を見ていきます。(上図)

☗5八金☖3六角以下、先手は☗5六歩(次に☗5五歩から角を捕獲する狙い)☖5四角に☗5五銀と駒をぶつけていきます。

以下、☖同銀☗同歩☖4三角☗6八玉と進み、先手は持ち駒の角、後手は1歩得が主張の将棋になります。

形勢は完全に互角で、これからの将棋です。

次に☖4五歩から先手の銀を追い払う手を見ていきます。

☗5八金☖4五歩以下、先手は☗3七銀と素直に銀を引いておきます。

銀を引かされて先手が不満に見えますが、この後の後手の指し手も決して簡単ではありません。

☗3七銀以下、☖7五歩の仕掛けには☗同歩☖同銀☗4八玉と柔軟に対応して1局の将棋です。

☗同歩

先手は素直に☗同歩と応じます。

☖同銀

後手は銀を五段目に進出することができました。

一般的に銀が五段目に進出すれば攻めとして成功と言われていますが、早繰り銀の場合はその限りではありません。

☗2四歩

先手は飛車先の歩を突いて反撃を始めます。

【自戦記解説】☖3三金型早繰り銀の基礎②へ続きます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました